2019年10月26日に立川駐屯地で開催された箱根駅伝予選会において、みごと筑波大学が6位通過となり、26年ぶりの箱根駅伝出場を果たしました。
前回予選会の17位から、大きく順位を上げての出場権獲得や、国立大学が箱根駅伝に出場するということで、多くのメディアの注目の的となっています。
本稿では、箱根駅伝のダークホースとなりえる筑波大学の躍進の秘密について書いていこうと思います。
箱根駅伝復活プロジェクトの発足
筑波大学は、前身の東京師範学校時代、記念すべき第1回箱根駅伝に出場し、見事総合優勝を果たしている古豪です。
そんな筑波大学ですが、近年は私立大学が莫大な強化費をつぎ込み、大学の広告塔として箱根駅伝出場を目指しこぞって強化したこともあり、26年間箱根駅伝から遠ざかってきました。
そんな中、もう一度箱根を目指すために、大学一丸となり発足したのが箱根駅伝プロジェクトでした。
監督は、資生堂女子陸上部でオリンピック選手などを輩出し、監督自身の母校である筑波大学で箱根駅伝を経験したことのある、弘山勉監督を招へいしました。
更に資金が潤沢な私学との差を埋めるために、クラウンドファンディングも行いました。
このような取り組みを2011年から開始し、箱根駅伝への挑戦を続けてきました。
週5のミーティングで選手の意思統一
今回箱根駅伝へ26年ぶりに出場する筑波大学ですが、もちろんその道のりは簡単ではありませんでした。
まずは、選手の意思統一です。
国立大学の筑波大学は体育専門学群があるものの、スポーツ推薦の枠は各競技できまっており、更には様々なバックボーンを持った選手が入学してくるので、選手との意思統一が非常に難かったと監督自身がインタビューで述べています。
特に、今年度は本気で箱根駅伝を狙うためにどうしたら良いのか考えた結果、週5のミーティングを重ね、トラックレースを中心に活躍した主力選手10人が、駅伝ブロックから中長距離ブロックへ移っていったそうです。
こうした痛みを伴う改革を行い、選手と明確に意思統一を図り、箱根駅伝に出場するためのプロセスを積み重ねてきました。
こうした取り組みを行ったうえで、練習メニューも10キロから20キロの距離を朝練で走り、夕方の練習でもハードなポイント練習を週4日行い、箱根駅伝の予選会に準備してきました。
本選でシード権獲得を目指す!可能性は?
こうした積み重ねで箱根駅伝本線出場を勝ち取った筑波大学ですが、本選ではシード獲得を目指しています。
予選会を6位で通過したので、かなり難しい状況に置かれていることは間違いないですが、何が起こるかわからないのが箱根駅伝です。
更に箱根駅伝は、平均区間距離が20kmと、学生が普段トラックレースで走ることがないような距離を10区間チーム一丸となり走り、襷をつながなくてはなりません。
こうした長距離の区間では番狂わせが多く、20キロなどの長距離を走りこんできた筑波大学にも十分可能性があると考えます。
以上が、箱根駅伝のダークホース筑波大学の躍進の秘密でした。
2020年の箱根駅伝も、家族や友人とテレビや沿道で観戦してみてはいかがでしょうか。